ドイツで見たもの。
キール滞在中、同居人がホテルの窓からぼ~と外を眺めていたらこんな光景を目撃していました。
あらら、どうやら駐車違反の車が牽引されていく様子。
日本でも駐車違反の車はこのように牽引移動されて、所有者が車のところに戻った時には路上にむなしくチョークで車が移動された旨が書いてありがっかりしますが、ここでも事情は同じなんですね。
ドイツで出会った人。
リューベック駅前で空港行きのバスを待つためにベンチに座っていました。
我々の座っていたベンチにご婦人が近づいてきたので私は席をつめました。
そしたら、ご婦人は私にドイツ語で(当たり前か)なにやら話しかけてきました。
多分、話を想像すると、「あら、そんなにつめなくても私は小さいから座れるわよ。」みたいな感じだったのだと思います。
私はにっこり笑い(言葉が分からない時はなぜか微笑むしか術を知らない私)、頷きました。
そしたら、ご婦人は次から次へと話しかけてきました。
う~ん、全くなにを言っているのか分からない、、、とほほ。
言葉が分からない時は私はいつも自分の無能さを痛感します。
あとは得意の想像だけで何を言っているか察するしかない。
ご婦人、財布から身分証明書を取り出して私に見せてくれました。
そして生年月日を指差す。
1.11.1936(1936年11月1日生まれ)。
私の母親と年齢は大差ありません。
顔に多少しわはあるものの、こざっぱりしていて若く見えます。
多分私に「もうこんな歳になっちゃったのよぉ~。」とでも言いたかったのかしら?
私は英語で「でも、お若く見えますよ」と言ったけど、彼女には通じていなかっただろうな。
そして、次にその財布から2セントを取り出して私の手にのせました。
彼女、なんか言っている。
同居人が横から「彼女はこれはプレゼントだよ、って言っているよ。」との弁。
私は、「だんけしぇん」と彼女に言いました。
とてもかわいい笑顔を私に見せてくれました。
なぜ、私に2セントくれたんだろうか?
それから彼女のバスが来るまで私がドイツ語が分からないことを知っているにも関わらず私に色々話しかけました。
私はただ相槌をうつばかり。それしか出来ない。情けない。
そうこうしているうちにバスが来て、彼女はバスに乗りこみました。
席に座るや否や我々の方を見て、手をずっと振っています。
我々もバスが見えなくまるまで手を振っていました。
同居人は、「知らない人が見たら、我々とご婦人は知り合いだと思うよね。」とぽつんと一言。
私は、彼女は一人暮らしなのかなぁ~、と漠然と思いました。
私もひとり暮らしをしていた時、1日だれとも喋らない日があったなぁ~と思い、なぜかそういう時ってだれでもいいから喋りたくなるんだよねと、そんなことを思い出しました。
あのご婦人もそうだったのかな?
なんか、言葉に表現しがたい気持ちがご婦人に向けて振っていた手を下ろすときに感じました。
<今日のポ語>
re,ka (手、腕)
”れんか”
複数形はre,ce(れんつぇ)です。
私の手に急に差し出した2セント、いつまでも手を振っていた姿。
なんかとても印象的なご婦人でした。